寺ネットサンガ~流山・円東寺の十一面観音参拝 流山の立木観音 円東寺参拝 流山 観音

流山の立木観音 円東寺参拝

2022年4月23日(土)千葉県流山市にある円東寺の立木十一面観音像を参拝する会が行われました。
先月の浅草ミニツアーに続き、今年2回目の寺ネットサンガのイベントになります。円東寺のご住職は寺ネットサンガ会員で、坊コンでもおなじみの増田俊康さんです。http://teranetsamgha.com/Members/view/masuda_shunkou

今回は円東寺の立木十一面観音さまをお参りし、もともと境内にあった樹齢400年のイチョウを立木(根がついたまま彫りすすめる)観音像にすることになった経緯やこれまでの苦労話などを伺います。

つくばエクスプレスが止まる「流山おおたかの森」駅を降りると、休日ということもあり、若い夫婦や子供たちの姿が多く見受けられました。比較的新しいこの駅周辺はおおたかの森ニュータウンとして現在発展中なのだそう。都心への通勤圏内で世界的にも有名なキッコーマンがある野田市の隣ということもあり、今まさに人口も増えつつある新興都市です。でも、つい10年前までは田畑が広がり、アスファルト補整された道路は少なく、雨が降ると長靴なしでは歩けないようなところだったと増田さんがお話しくださいました。

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区画整理のため伐採予定だったイチョウの大樹

円東寺境内にあった樹齢400年のイチョウの大樹は千葉県の区画整理のため伐採することになってしまいましたが、この大樹を残すべく多くの方々が立ち上がりました。
そして平成25年から8年かけて、根の付いた状態で十一面観音が彫刻され、その観音様を永く護るための御堂も今春落慶されました。
詳しい様子は円東寺HPに
http://entoujide.gozaru.jp/tachiki.html

先ず、観音様の参拝の前に、腕輪型の念珠を作るワークショップが行われました。
自分で好きな色を選んで珠を数珠繋ぎにしてボサ玉とゴム糸で括るのですが、これがなかなか簡単そうで難しい作業です。参加者の皆さんそれぞれ集中して作っていました。
すぐに作り上げる人もいれば、珠の色に迷ってなかなか決まらずにいる方と様々。
中にはネットで調べながら独自の方法で作っていたツワモノもいました。
念珠が完成した後、本堂にて増田住職の読経と迫力の太鼓で、念珠を開眼して頂き、円東寺の立木観音御朱印をお授け頂きました。

円東寺では大人向けの寺子屋として、今日行った数珠作りをはじめ、ヨーガやお料理教室などの色々なワークショップ講座を開催しています。そのワークショップの一つに仏像彫り講座があり、仏師の畠山さんが講師を務めていらっしゃいました。
そんな中、檀家の方の一人が、伐採される予定のイチョウの大樹の幹だけはなんとか残せないか、と千葉県に掛け合ってくださった結果、幹が残せることになった・・・という話をしたのだそう。すると畠山さんが、イチョウの木の根を残したまま仏像を彫る方法で、立木の十一面観音像を作ったらいいのではないかと提案くださり、話がどんどんとまとまって現実化していったのだといいます。
畠山仏師は岩手県出身ということもあり、東日本大震災で亡くなった方の供養の為に何かしたいと常々思っていたのだそう。そんな折、ちょうど大樹の幹が残せる話が持ち上がったのでした。
何とかファウンドクラウディングで資金を集めた増田住職は、畠山さんらや檀家の皆さん、またボランティアの方々と多くの協力者を得てイチョウを彫り進めました。なんと、それから8年半の月日が流れます。その間イチョウは根を残した状態で彫り抜いていくため若い枝が芽を出してくることもあったそう。

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観音様の胎内くぐり

3メートルを超えるほどの大きな十一面観音様がやっと彫り上がり、その仏像をお守りする御堂も出来上がっていますが、観音様全体に柿渋を塗って表面を強固に固める作業が終わっておらず、背中がまだ少し白い状態。開眼は終わっているけれど、背中の部分がまだ未完成なので、今秋一度閉眼式をして完成させてから再度開眼式をするとのお話でした。仏像を作るのは思うより時間と労力と資金が必要なのだなと改めて思いました。そして、多くの人が協力しなければ成しえないことなのだとも。

御数珠の開眼法要の後、早速、十一面観音像の御堂へ。
イチョウの根がしっかりと観音像を支えている様なお姿は、まるで、樹の中に元々観音様がいたかのようです。皆さん、実際に間近で見上げながら、その大きさに驚いていました。さらにイチョウの根元は下を潜れるようになっていて観音様の胎内くぐりが出来るのでした。
大木の根っこの下に入る体験はなかなかできませんから、皆さん興味深く潜っていらっしゃいました。

本来は毎年、東日本大震災の起きた3月11日の地震のあった時14時46分に合わせて、14時から15時のみご開帳することにしていたそうです。(震災発生の14:46に黙祷をする関係で、胎内巡り受付は14時30分で終了)今回は寺ネットサンガのために特別拝観させていただきました。有難いことです。

円東寺の立木観音は、ある程度の人数が集まればご開帳以外にもご住職立ち合いの元でなら拝観できるそうです。
大道芸も得意な増田住職の楽しいお話のおかげもあり、あっという間の楽しい時間でした。

流山の立木観音 円東寺参拝

流山 観音

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