寺ネット・サンガ「坊コン」「お坊さんあるある!」 プチ法話「お坊さんあるある!」 お坊さん 寺ネット・サンガ

プチ法話「お坊さんあるある!」

2014年1月14日(火)、寺ネット・サンガ「坊コン」が行なわれました。今回のテーマは「お坊さんあるある!」です。
お坊さんが思わず「あるある!」と頷いてしまうことって何でしょう?
普段、お坊さんって何をやっているの? お坊さんにも悩みがあるの? など、気になるテーマについて語り合いました。

本日の寺ネット・サンガ「坊コン」は、神奈川県平塚市の浄信寺のご住職、吉田健一さんのプチ法話から始まりました。
世の中にはたくさんの職業がありますが、「お坊さん」は謎が多い職業です。時間が決まっているわけではなく、お給料が決まっているわけでもない。売り上げなどの、何か見える成果が出ることもない。
吉田健一さんも、仕事なのか、生き方なのか、そこのところが難しいとおっしゃっていました。

お坊さんのお仕事といえば、お葬式や法事を思い浮かべますが、現代社会の中で儀式に対するニーズは小さくなっている傾向にあります。
お坊さん自身が社会の中で、自分たちの存在意義は何だろうと問われる時代になりました。
特に若いお坊さんたちの間で、積極的に社会に関わっていこうという動きが出ています。ニュースなどでもよく「お坊さん」に関する話題が上がります。

最近の「お坊さん」に関する報道の中で、吉田健一さんは「救う人・救われる人」という構図がみえてくると、それはちょっと違うと感じているそうです。
今はお坊さん側から、社会に対して何かを発信していかなければ、お坊さん自身の存在意義を保つことが難しくなっています。
死生観が失われつつある現在、社会にコミットしていこうと思いながら、どうコミットしていくかという点が現代のお坊さんたちの悩みでもあるそう。同じ時代に生き、悩みを持つ人々と一緒に問題意識を共有していきたい、というご自身の思いを語ってくださいました。
「同じ視線で語り合う、こういった場が大切ですね」と、寺ネット・サンガに集まった参加者の顔を見回しながらおっしゃっていました。

また、お坊さんと言えば「悩みをきいてくれる、解決してくれる」というイメージもあるかと思います。
吉田健一さんは「自死・自殺に向き合う僧侶の会」の活動もなさっています。自死・自殺も現代社会においては解決の難しい社会問題のひとつです。
例えば、病気になれば薬を処方される。一時的に良くなったとしても、薬に依存するようになっては、病気は根源的に解決されたとはいえません。
お坊さんに救いを求める人も、救われることに依存してしまうことが心配です。
人を救うのは、その人自身。その人自身の自然治癒力を高め、「生きる力をどう引っぱり出すか」ということを大切にしていきたい、とご自身の方向性を語ってくださいました。


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ここがききたい お坊さんって何なの? どうなの?

休憩中は、今日お持ち頂いたお坊さんの専門誌やお寺向けの通販カタログなどをみんなで拝見しました。お坊さんの身につける品や、お寺で必要な物品に価格が記されているのは、何とも不思議な気がいたします。

後半は「ここがききたい お坊さんてっ何なの? どうなの?」というテーマで、各テーブルごとにお坊さんが混じってディスカッションを行ないました。たくさんの質問が出て、話がまとまらない班もありました。

Q.お坊さんになる前となった後では、どう変わったの?
A.一本軸ができたようで、自分はこの道で行こうという覚悟みたいなのものができました。

Q.「坊」って何のこと?
A.建物の主という意味です。

Q.教会でのウエディングに比べて仏前結婚式が少ないのはなぜ?
A.教会のほうが安いというイメージがあるかもしれない。お寺の宣伝力も足りないのもあるかもしれません。

Q.早起きは大変そう
A.早起きじゃないお坊さんもいます。突然の来客や夜の突然の出来事に対応したり、日々の生活はお坊さんそれぞれです。

Q.オープンな活動をしているお寺が少ないような気がするのですが・・・
A.お寺と住居が一緒になっている場合が多いので、お寺をあまりオープンにし過ぎると、プライベートな空間を確保するのが難しくなります。最近は防犯上の理由もあります。

Q.100年後、お寺はどうなっているでしょう?
A.社会のニーズが減り、お寺を継ぐ人、お墓を継ぐ人が減っているので、お寺の数は減るかもしれません。一方、あるお坊さんは、お寺が今の時代までずっと残ってきたのは、もしかしたら仏さまの何らかの力があったからではないか。だからきっとこれからもお寺は大丈夫だよ! と笑顔でおっしゃっていました。

その他、「お寺やお坊さんは、家系で継ぐものなのですか?」「お坊さんってみんな外国語で布教できるのですか?」「お坊さんのお給料はいくら?」などの質問がありました。

ケースバイケースで、家系で継ぐ人もいれば家系でない人もいる、外国語が出来るお坊さんもいれば出来ないお坊さんもいる、お給料は・・・この質問は個別にこっそり質問された方にお答えいただいたようです。

木魚、木柾(もくしょう)の実物をお持ち頂いたお坊さんもいらっしゃって、かわいい木魚を叩きながら、リズムのとり方(!?)についてお坊さんたちが語る場面もありました。



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お坊さんにも悩みがあるの?

お坊さんたちの悩みもおききしました!
お正月に食べ過ぎた、意中の人が見つからない等、私たちと共通の悩みもございますが、特にお坊さんならではの悩みを聞かせて頂きました。

・例えばおにぎりを100円で売るなど、目に見えるわかりやすい対価があるわけではないので、お葬式や法事のあとは「納得していただけているかな?」と常に自分自身に問いかけている。

・「私」と「お坊さん」というイメージのギャップに悩む。多くの方々と接するお仕事の中で、常に見られている自分を意識して明るい自分を演出しつつ、でも本当の自分ってそんなに明るい人間なのだろうかと自問自答。「お坊さんはこうあるべき」という思いと、自分の「性格」とのギャップを感じて悩んでいる。

・お葬式をしない人が増えていて、特にニュースに取り上げられるような著名な方々にもそのような傾向が増えている。私たちが心の根底に共有してきた感覚のようなものは、社会全体の風潮にも影響され、変化しているようだ。

・例えば今日の「坊コン」で、こうして2時間近く語り合った方々と、別れ際にうまく挨拶をしてお別れをしたいが、毎回上手く心が伝わる挨拶が出てこないのが悩み。

あるお坊さんは、お戒名が「ピッタリ!」と思いついた時の喜びを語り、他のお坊さんたちも「そうそう!」と盛り上がる場面も。お坊さんもひらめきが浮かぶとうれしいみたいです。

○まとめ
普段、たくさんの人と出会って、それも人生の一大事の際に人と関わっていくお坊さん。最近は宗教に関する怪しい事件なども多く、ちょっぴりマイナスイメージです。ある調査によると就労時間によるブラックなお仕事ナンバーワンは「宗教者」。私たちが感じるよりも、もっと激務なのかもしれないと感じる一幕もありました。
プライベートな空間や時間を確保するのが難しかったり、突然の出来事に常に対応できるようにしておくなど「お坊さんあるある!」のお話を拝聴して、ますますお聞きしたいことが出てきてしまいました。


寺ネット・サンガでは、お坊さんの「こんな一面があったのか!」という発見もあります。どなたでも参加できますので、お気軽にお坊さんたちとお話ししにいらしてください。
寺ネット・サンガのホームページはこちらから→http://teranetsamgha.com/


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