「心のマッサージ」3~お坊さんとプチ修行 プチ法話とプチ修行であなたのストレスほぐします プチ修行 お坊さん

プチ法話とプチ修行であなたのストレスほぐします

ちょっと気分を変えてお家に帰ろう!「心のマッサージ」が、2017年2月15日に日本橋ウィズビジネスセンターで行われました。この講座は会社帰りに1時間ほどのプチ修行が体験できてしまうというカジュアルなもの。鬱々とした日常にさわやかな仏教の風を感じられる時間を気軽に過ごしてほしいと、寺ネットサンガに参加するお坊さん方が企画しています。


今回の「心のマッサージ」は浄土真宗本願寺派のお坊さん松本智量さんが担当してくださいました。浄土真宗のお坊さんは髪を剃らなくても良いのだそう。松本さんも有髪のお坊さんです。まずは読経からはじまり、プチ法話&メディテーション、塗り絵写経と続きます。

〇読経
「各宗派で読経といっても様々な考え方があります。浄土真宗や真宗派の読経の考え方は、「南無阿弥陀仏」というお念仏を唱える際も、だれかの為に、または、何かに向けて唱えるのではありません。手段としてお経も読みません。また、仏様に向かって読むのでもありません。
自分が読経しているその声が響いた瞬間に、その声は仏様そのものになります。それは仏様からの呼び声なのです。自分でお経を読むということは、読んだ自分が聞いているということなのです」と松本さん。

私たちは一般に仏様と聞いたら仏像を思い浮かべます。仏様をあらわすには仏像という“形”で表す場合もありますが、浄土系の場合は「南無阿弥陀仏」と“文字”で仏様をあらわします。その文字が“声”になると“音”となって響きます。すると“音”そのものが仏様になる。そう考えるのだそうです。
松本さんの読経の声は謡のように抑揚のある節まわしで会場に響き渡りました。前回の真言宗の声明とも違います。お話を伺った後なので、松本さんの“声”となってあらわれた仏様を感じながら読経を聞くことができました。


〇プチ法話
「転迷開悟」(てんめいかいご)迷いを転じて悟りを開く。
「抜苦与楽」(ばっくよらく)苦しみを抜いて楽を与える。 
これらの言葉は宗派を超えて仏教の目指すことなのだそうです。

日々生きていく中で、苦しみもがいている人に、もっとこだわりを無くして自由自在になるだけで、楽になるのではないですか。とお釈迦様は私達を導いてくださっています。私たちは、どうしても自分がこうであると思い込んで決めつけてしまう。こだわり持って、その考えに居着いてしまいがちです。「諸法無我」(しょほうむが)になりなさい。と仏教は教えているのです。

松本さんは「私達は目の錯覚で、同じ長さのものが違う長さに見えることもあるのです」と、2枚の猫の絵を白板に貼って見せてくれました。物事の一面しか見えない私達。物事の捉え方もともすれば“錯覚”しているのかもしれません。「諸法無我」はなかなか難しい目標ですが、自由自在にもっと楽しくやっていけるようにしたいものだなあとつくづく思いました。

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りんごメディテーションでプチ修行?!

〇りんごメディテーション
数個のりんごを抱えて現れた松本さん。お寺の本堂にお供えされていたものだそうで、それを私たちの目の前で半分に切り始めました。

「さて、皆さんに配られたりんごを手に、そのりんごを観察し、香りを感じ、隣の人のりんごがどんな風か見比べてみてください」と松本さん。

このりんごがここにたどり着くまでのストーリーを松本さんが話し始めます。

「陽に風に雨にあたり成長するりんご。りんごの樹が土から養分を吸い上げる音を感じてください。たくさん実ったりんごやそこに生きる虫たち、鳥、日の光を感じて下さい。そのりんごが青森のりんご農家の方にもぎられ、箱にいれられ車に揺られてお寺に届くまでを思ってください。では一口かじってみてください。甘さ、酸味、硬さなどを感じてみてください」

約8分ほどでしたが、りんごをじっくりと味わっていろんなことを想像しながらいただきました。
松本さんはまた、「実は“いただきます”という言葉はもともと仏教用語で、一般に使われるようになったのは、そんなに昔の話ではないのです。全国的に一般的に食事の前にいうようになったのは昭和10年。学校給食が始まって、それがラジオを通してひろがったのだそうです」と教えてくださいました。

また、元々「いただく」とは大切にする。という意味があり、頂き=頭の上のこと。貰い物を“大切にします”と頭の上に挙げることから来ているのだそう。ごはんを前にして「いただく」のは“これを尊重します”“大切にします”という意味。様々な縁で私達の口に入ることになった食べものが、実は命の縁の集積であると感じて、それを大切に尊重して食します。という気持ちを表しているのだとのことでした。

当たり前すぎて何も感じずに使っていた言葉「いただきます」。注目することで、全く新しい見方や考え方ができるきっかけになりました。普段の忙しさにかまけて、ごはんをいい加減に“頂いて”いたような気がして、おもわず猛省してしまいました。

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塗り絵写経

〇塗り絵写経
「南無阿弥陀仏」と書かれた文字をなぞって塗り絵写経をしました。今回も心身を浄めるために為に塗香(ずこう)をした後、心が整ったところでぬり絵写経を開始します。はがき大の簡単なものですが、各自、大切に思い思いの色で塗っていきます。出来上がった後は白板に貼って皆さんの作品を披露。それぞれ全く違う印象で出来上がっていました。


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仏教には現在色々な宗派があります。ところが、各宗派それぞれの修行や特徴を知りたいと思っていてもなかなか知るチャンスはありません。寺ネットサンガでは、お坊さんと気軽に話せる場を提供していこうと「坊コン」を主催していますが、実際に各宗派の修行や考え方などがわかるような体験がしてみたい!というご意見の元、昨年末から「心のマッサージ」というプチ修行の講座を始めました。本格的な修行体験をするには時間がない方、気軽に仏教を体験したい方、会社帰りにモヤモヤとした気分をすっきりしたい方におすすめの講座です。


「心のマッサージ」“プチ法話とプチ修行で、あなたのストレスほぐします!“の今回の講座で、くよくよと悩んでいた自分を発見。松本さんのお話しにあったように考えに”居着いて“しまっていたことに気が付きました。講座が終わったあとは晴れ晴れとした気分に!
文字通り“心をマッサージ”され、スッキリとして気分を一新できました。
皆さんも会社帰りにちょっとだけの“プチ仏教“はいかがですか?


「心のマッサージ」~寺ネットサンガのプチ修行講座

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