仏教宗派 基本の「キ」4~寺ネットサンガ「坊コン」 日本仏教のキホン ―なぜたくさんの宗派があるの? 仏教 宗派

日本仏教のキホン ―なぜたくさんの宗派があるの?

宗派を超えてお坊さんと仏教について気軽に語り合える「坊コン」が、2018年6月14日(木)に日本橋のルノアール貸会議室にて開催されました。

仏教基本の「キ」』第4回目となる今回のテーマは、
「日本仏教のキホン ―なぜたくさんの宗派があるの?―」です。
寺ネット・サンガ・会員のお坊さん 真言宗豊山派の名取さん、日蓮宗の吉田さん、浄土真宗本願寺派の松本さん3名のお坊さんにお話を伺っていきます。進行役は供養コンシェルジュ樋口さんが務めてくだいました。

まずは吉田さんから、お釈迦さまの教えが仏教となり、インドから中国、日本へと伝わった過程で分派していった様子を簡単に説明いただきました。
釈迦の入滅後に釈迦の教えを経典にしていくなかで、考え方の違いから上座部(じょうざぶ)と大衆部(だいしゅぶ)に分裂。その後、大衆部の考えを引き継ぐ大乗仏教の経典が中国に伝わり、いくつかの宗派に分かれ、日本にも“南都六宗”として伝わりました。

日本の仏教宗派は、戦前は「十三宗五十六派」が数えられ、1951年(昭和26年)に宗教法人法が施行されると、既成仏教宗派のなかからさらに多くが分派したそうです。
写真は1964年(昭和44年)の日本の仏教宗派一覧表です。あまりにも多くの宗派に分かれていることに驚きました。現在でも、宗教法人法に則り文科省で認められれば、宗教法人として新規登録されることは可能なのだとこと。

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日本に色々な宗派がある理由

お坊さん方それぞれ、ご自分の宗派である日蓮宗系、真言宗系、浄土真宗系を中心に、どういった経緯で分派するに至ったのかなどをごくごく簡単に解説して頂きました。

その上で、なぜ平安末期から鎌倉時代にかけて宗祖が多く現れたのかを、松本さんがお話しくださいました。
大乗仏教にはその基本に”諸行無常”という概念があり、仏教もいつかは滅ぶと考えるのだといいます。
「正法」の世(釈迦の教えが正しく伝えられる時代)が500年~1000年続き、その後に「像法」という形だけの世になり1000年続く、その後は人も世も最悪となり正法がまったく失われる「末法」の世になり1万年続く… という流れで、正法・像法・末法・滅法という順に仏教が衰退するという歴史観があります。
平安末期頃から鎌倉時代の人々は、自分が暮らす時代を末法の始まりだと考えていました。
仏教が衰退した末法の世をどのように生きればよいかを自問自答していく過程で、いくつもの宗派が誕生していったのではないかと、あくまで松本さんなりの解釈ですとの断りをつけてお話しくださいましたが、私達初心者にも分かりやすく納得できる考え方だなと思いました。

吉田さんは、仏法僧の「三宝」の違いが、宗派の違いであると話されました。
釈迦牟尼仏・阿弥陀仏・大日仏・薬師仏など三世十方の諸仏の中から、どの「仏」を選ぶか?
法華経・大日経・浄土三部経など八万四千の法門の中から、どの「法」を選ぶか?
最澄・空海・法然・親鸞・日蓮などたくさんの祖師の中から、どのどの「僧」を選ぶか?
さらに、政治・行政・経済・文化などの時代背景と社会不安が複雑に絡み合い、宗門内部での人脈や価値観の相違も相まって宗派が分かれていったのだということです。

末法思想を信じるほど荒んだ世の中で、何とか仏教で世の中の立て直しを図ろうと本気で立ち上がった祖師達の思い。寺が時の権力と武力闘争となるほど荒れた戦国の世で、苦悩の末に宗派が分かれていく様などの話を伺っていると、政治や飢饉、地震災害なども絡み合いながら、権力とも戦っていた当時の寺社の役割など、まるで日本史の講義を聴いているようでした。




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お坊さんへの質問タイム

後半はディスカッションタイムです。お坊さんへの質問コーナーは、超宗派のお坊さんが集う、寺ネットサンガの「坊コン」ならではの時間です。
今回のテーマに限らず、聞きたくてもなかなかお坊さんに直接聞きにくいような質問もOK。今日初めて参加された若いお坊さんからの質問も飛び出し、サンガのお坊さん達が丁寧に回答してくださいました。


「新興宗教」といわれるものと一般的な宗派との違いが判らないのだが、見分けるポイントはありますか?といった質問や、東日本大震災の際にお坊さんの団体が被災地に入ったが、超宗派で集まって活動したお坊さん達もいたようだが、どういった経緯でだったのか教えて欲しいなどの質問も。また、融通念仏経について教えてほしいなどのマニアックな質問も飛び出し、もっと詳しく話を聞きたい、具体的な内情を伺いたいと希望する方々はその後の懇親会へ。
今日の参加者はいつもより多く、たくさんの宗派がある日本仏教への関心の一端なのかなと感じました。
自分の家の宗派だけでなく、他の宗派のことも知りたいと思った方は、ぜひ寺ネットサンガの「坊コン」にいらしてみてください。一般の方だけでなく、若い宗教者も、専門に勉強中の学生も大歓迎です!







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