「弔う」とは 今回は「弔い」の意義について考えてみたいと思います。 弔う 悼む

今回は「弔い」の意義について考えてみたいと思います。

別れる=社会的意義
社会的なつながりに別れを告げること。「告別式」は文字通り別れを告げる場です。
高齢で亡くなった場合は、別れを告げる人も少なく、儀式が小規模になる傾向があります。
それでもかつては、遺族の会社関係者などが多数参列したので、高齢者の葬儀でも多くの人が集まりました。故人のことを知らない弔問客に気を遣い、ゆっくりと悲しむこともできない遺族の立場を考えれば、故人を知る人だけで送る最近の「家族葬」という選択は頷けます。
しかし、本当に別れを告げたい人が参列できないような小規模化はいかがなものでしょう。

葬る=物理的意義
「葬」という文字は、草むらの中に死体を置く様子を表わしています。大切な方のご遺体はいつまでも生前の形にとどまっているわけではありません。衛生面や死者の尊厳を守る為に、火葬・埋葬など遺体・遺骨の処理が必要になります。
 昨今では遺体に腐敗処置を施すエンバーミングや、散骨や手元供養などの遺骨の処置方法があります。
しかし、遺体・遺骨は物理的に片づければ良いと割り切れるものではないでしょう。
葬儀→火葬→埋葬という過程が大切な人の死を受け入れる助けになることもあると思います。
情報に流されず、「葬る」ことの奥深さを平素から考えておくことが必要ですね。

悼む=心理的意義
大切な人の死は、深い悲しみと苦痛をもたらします。泣いたり嘆いたりするのは、痛みを感じている人の自然な反応です。
葬儀の場は思いきり泣いてもかまわない公式の場でもあります。
儀式を進めることが現実を受け入れる手助けになり、集まった人たちから精神的な支えを得られることにもなるでしょう。
また、故人の人生が弔問客の心に刻まれるような儀式は、故人の魂にも届くはずです。
天童荒太著『悼む人』は、不慮の死を遂げた人々を悼むため全国を放浪する若者の物語です。
見ず知らずの死者の人生を自分が生きている限り覚えておくことが悼むことだという主人公の言葉が胸に響きました。

送る=宗教的意義
亡き人の魂を慰め、死後の世界に送ります。
葬儀とは「葬送の儀」の略で、遺体を葬ると同時に魂を送るということに最大の意味があると思います。
送られる先は、それぞれの信仰によって変わってくるわけですが、どのような宗教であっても、参列した人たちが故人を送ることができたと実感できる儀式が本物だと思います。

弔う=総合的意義
弔う」という言葉には、遺された人を慰めるという意味と、死者の霊を慰めるという意味があります。
そう考えると、前述の四つの内容を総合したものが「弔う」という言葉に込められているのではないかと思います。
人は他者とのかかわりの中で生きています。
亡き方は、生前つながりがあった人たちに別れを告げ、誰かの手を煩わせることによって葬られ、悼まれ、送られます。
その一連の過程で亡き人の成仏を祈り、自身の成仏にもつながっていくような「弔い」が理想だと思います。


まんだらエンディングノート

弔う 悼む

「弔う」とは今回は「弔い」の意義について考えてみたいと思います。