コロナ後の終活 緊急事態宣言 新型コロナウイルス ステイホーム

緊急事態宣言

この原稿を書いているのは新型コロナウイルスの感染防止のためステイホーム週間に入った4月末です。
この文章がお手元に届いている6月過ぎには事態が収束に向かっていることを祈るばかりです。

3月から外出自粛・教育機関の休校・在宅勤務の奨励・イベントの中止など様々な対策がなされています。
お寺でも、春の彼岸や花まつりなどの行事の中止・縮小するなどの対応をしてきました。
しかしその健闘もむなしく、感染者が増え、医療機関は崩壊寸前の状況となり、経済活動は縮小し、打撃を受ける業種や収入が減る人が増え、社会不安は大きくなるばかりです。
こうして原稿を書いている間にも刻々と状況は変化し、明日何が起きるか想像もできない中を過ごしています。

コロナ後の社会

ウイルス禍の終息まで数年かかるともいわれ、経済的打撃から社会が回復するまでにどれほどの時間が必要か、予測できない状況です。
所得保障・営業補償などの経済対策は痛みを和らげる対処療法にしかならず、これまで以上に格差が広まるともいわれています。

一方で、インターネットを活用したオンライン会議の普及は、在宅勤務を推し進め、働き方改革や家族の在り方にも影響を与えています。

小欄でこれまで取り上げて来た「終活」に関する事柄も、社会の変化の波に流される部分も多々あるでしょう。
介護・看護・年金・相続など世の中の仕組みが大きく変わることが想像され、葬儀の小規模化・簡素化もさらに進み、お墓に対する考え方も変わることでしょう。

しかしこのような時だからこそ、自分の人生の締めくくり方を見詰め、お金や時間をどう使うか、今をどう生きるかを考える「終活」が求められるのだと思います。

変わらぬ信仰を!

ウイルスの影響で先行きが見えないのと同様に、「死後の世界」を見て帰ってきた人はいないので、どのようなことになるのかわかりません。
しかし多くの経典には、輪廻転生が説かれ、過去世・未来世の物語が描かれています。
死後、迷いの世界をさまようことがないように亡き人へ追善供養をするのが仏事であり、生きている間、道に迷うことがないように励むのが仏道修行です。

日蓮聖人は、『日女御前御返事』というご遺文のなかで、
「一人ももれずに此の御本尊の中に住し給ひ、妙法五字の光明に照らされて本有の尊形となる」
(日蓮聖人が顕わされた「大曼荼羅本尊」の中では、仏の世界から、人間や動物、地獄まで十界の住人すべてが、「妙法蓮華経」の五字の光明(お釈迦さまの修行の功徳と悟りの慈悲の光)に照らされて、本来の姿として具わっている尊い形・仏の姿となり、守られ救われている)
と説かれています。

現在も、いずれやってくる最期も、来世も、お釈迦さまの慈悲の光に包まれて、尊い仏の姿でいられるようにと、お題目を唱えながらイメージしてください。
世の中が変わり人の暮らしが変わっても、変わることのないお釈迦さまの光明に包まれて、真理をわきまえ行動できれば、悟りに近づいていけるはずです。

ウイルスの感染が広まる中で風評や流言、感染者への差別などを生み、私たちの心の中には邪鬼も多く潜んでいます。
正しい情報を読み取る智慧と、その智慧に基づいた行動力、そして人の力の及ばぬところには執着しない強い心を養うのが仏道の修練です。

世界中の誰もが持つ内なる仏を信じ、敬い合う安穏な社会をつくる。
それがウイルス対策にも、コロナ後の終活にもつながることではないかと思います。

まんだらエンディングノート

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