文化5年の客殿再建願 江戸時代の永寿院2 鳥取藩 客殿再建願

江戸時代の永寿院2

この書状は、文化5年(1808)に永寿院より「御役人中」へ差し出された客殿再建願で、内容から鳥取藩寺社役人に宛てられたものであることが分かります。
永寿院には本来、鳥取藩主や紀州藩主の来寺の際に対応した客殿が備えられていましたが、当時の住職(第18世日明聖人)より三代以前に大破したため解体され、仮客殿で凌いでいる状況が続いていました。
日明聖人は10年前に仮客殿の修覆をおこなっているものの、その仮客殿も見苦しい状況となったため、客殿再建への丹精を願い上げたのが本文書です。
特にその事由として 「芳心院様其外御尊霊様方」の位牌を零落した建物に御安置することは申し訳ないことを挙げ、再建丹精の必要性を強調しています。
当時の住職のご苦労がしのばれる史料です。
(池上本門寺霊宝殿『万両塚特別展 図録』より)

永寿院の歴史

鳥取藩 客殿再建願

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