第9期 第9回 池上市民大学体験記 仏教のお話 池上 市民大学

仏教のお話

平成27年6月20日、第9期 第9回の池上市民大学は岡本先生の仏教のお話からです。

今回の仏教のお話のテーマは、『お香を通して供養を学ぶ』ことについてです。
テーマが『お香』ですので、本日は特別に『白檀(びゃくだん、お香の種類)』を焚いて、香りを楽しみながら授業に臨みます。

でも何故数あるお香の中から『白檀』を焚いたのか?
これは、お釈迦さまが法華経を説こうとしたとき、白檀の香りが人々の心を悦ばせた様子を皆さんにも!と岡本先生のサービスで焚いて頂きました。

さて、皆さんは『お香』と聞いてまず何を思い浮かべるでしょうか?
一般的に馴染みの深いものはお参りや供養の為に使う『お線香』や、フレグランスの用途で使うものを思い浮かべるのではないでしょうか?

まず、お香の起源を紐解くと、エジプト又はインドで発祥し、エジプトではミイラの材料として使用され、インドでは高温多湿の最中で人や場所の臭気を消す用途に使用されたそうです。

日本にお香が伝来したのは595年の飛鳥時代。
仏教の伝来と共に、経典や仏像と一緒に仏さまを供養する為の『供え香』として日本に伝えられたとされています。
その後の平安時代には、『供え香』の他に、香りを楽しむ為に貴族の間で使われるようになり、室町時代以降は『香道』へと発展しました。

お香の起源から日本への伝来の歴史を辿り、現代のお香の用途と比べてみると、現代とさほど変わりは無いように伺えます。

お香は『嗅ぐ』ではなく『聞く』?
お香による供養が『供え香』ですが、供養をする際にはお香は『嗅ぐ』のではなく、『聞く』ためにお香を焚くそうです。

何故お香を『聞く』かと言うと、お香の煙によって先祖が行き来する道となる為、先祖の声を『聞く』ために、『供え香』を焚くそうです。

お香は良い香りがするので、先ず嗅覚に神経が働いてしまいますが、皆さんもご先祖様の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?

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環境のお話

二時限目は小野先生の環境のお話です。
今回の環境のお話は、『水はどこから来るのか?』
水は生物にとって大変重要なもので、人類の文明を辿ってみても、大きな河川の近くで文明が発展しました。

生物が生きるために必要な『水』。
地球上で人間が利用できる水はとても少なく、地球上で人間が利用できる水を500mlのペットボトルに置き換えてみると、なんとキャップ部分についた水滴程度しか存在しないのです。

その貴重な水はどこからくるのかというと、地上で蒸発した水が雲となり、水は雨となってまた地上に循環されるのです。

しかし、私たちが飲めるような水を維持していくのは非常に大変です。
文化の発展と共に、天然の浄水場とも呼ばれる水源林は伐採され、雨水をため込む山々は次第に無くなってきてしまいます。

日本ではその水源林を維持・管理を明治時代から行なっており、現代では水不足に困るような事が少なくなっています。

水道の蛇口をひねれば自然に出てくる飲める『水』。
その有り難さを改めて知る機会になりました。

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本日の霊宝殿

今回の霊宝殿の展示は『兜木コレクション』。
立正大学教授、兜木先生が研究の為に2000点以上ご自身でコレクションした中から、今回は50点程展示されていました。

その中でも大変興味深いものは『写経』。
各時代の写経を見て、どのような歴史を辿ってきたのかが分かります。
大昔の日本、奈良時代では、なんと『写経』をする為に国家試験があり、奈良時代の写経を見てみると、どれも同じような特徴的な字体をしています。
これは『写経体』と言う、字体を習得しないと写経ができず、故に国家試験になっていたようです。

しかし、鎌倉時代では写経が廃れてしまいます。
これは、当時『版経』と言う写経の版画版が大量生産され、実際に写経をする機会が無くなってしまったそうです。

『写経』の字体を見る事で、年代や歴史的背景がわかってしまう事に大変感心を持ちました。

池上本門寺HP「霊宝殿」のページはこちら↓
http://honmonji.jp/05topic/06info/reihoden/reihoden.html

第9期第9回池上市民大学体験記について

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