古書店がお客様を怒ることではなく、古書店側が怒られた経験 ある全集が逃げていってしまったものですから・・・。 古書買取 古本見積

ある全集が逃げていってしまったものですから・・・。

某古書店店主から「こんなろくでもない本を買って…」と怒られたことがあるとネットの掲示板で書かれていたのをみかけました。
(でもそのろくでもない本を置いているのはそこの店主なのにね。笑)

古書店店主のイメージは、頑固で職人肌、口うるさいというのは昔も今も変わりないものです。


私はお客様に怒ったことはありませんが、怒られたことは数知れず・・・。


一番怒られたのは、昔、春に開催されていたデパートでの古本市、即売会場でした。

お客様が【とある全集】の値段を聞いてきましたので「新校本なので10万円です」と応えましたらしばらく考えこんでしまいました。

お財布と相談して、さらに家族になんて説明しようかなど時間が必要だったのでしょう。買わずにその場からいなくなってしまいました。

やがて、ご家族を納得させお金を集めてきたのだと思います。ニコニコしながら帰ってきました。

「【あの全集】やっぱり買って帰ります」


と言われてビックリ、いや、顔面蒼白になりました。


「実はさっき、違うお客様が買っていかれました・・・」

と応えると、お客様も顔面蒼白になり、わなわなと口元が震えています。


「なんで!どうして売ってしまったんですか!!」

デパートの即売会場に響き渡る怒号が鉄道の汽笛のごとく、また、銀河から落ちてくる夜雷のようでした。

春のうららかさは修羅と変わり、私はふらふらと漂う虫の『よだか』のように存在がなくなっていきます。

(だって、「取り置きしておいてください」って言わなかったじゃんよ~)
と心の中で言い訳をしていましたが、お客様の立場になってみれば、やっとのことで買える条件をクリアして意気揚々と売り場に戻ってきたら【例の全集】が売られていたわけです。

お客様はさらに激昂して、

「同じものを用意しろ!」

「状態も同じ以上、そして値段は安くしろ」

とだんだん『注文の多いお客様』になっていきます。

私は平身低頭謝りながら

『雨ニモマケズ・・・サウユフモノニワタシハナリタイ』

と許してくれるまで心の中で朗読していましたっけ・・・。


今となっては、何の文学全集かは覚えていませんが、

たしか、
「銀河鉄道の夜」
「春と修羅」
「よだかの星」
「注文の多い料理店」
とかいう作品が入っていた全集だったかと思います(笑)

怒られながら叱られながらも、私は古書業の現場こそイーハトーブ(≒理想郷)だと信じて、感謝しながら商売をさせてもらっています。怒って下さったお客様、ありがとうございました。


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アベノミクスニモマケズ・・・サウイウ本ヲワタシハウリタイ

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古書店がお客様を怒ることではなく、古書店側が怒られた経験ある全集が逃げていってしまったものですから・・・。