6期 第12回池上市民大学体験記(9月29日号Vol.2) 今日の霊宝殿~西郷隆盛直筆「東征戦亡碑」下書き一幅~ 池上市民大学 霊宝殿

今日の霊宝殿~西郷隆盛直筆「東征戦亡碑」下書き一幅~

今回の6期 第12回池上市民大学体験記は2回に亘ってお送りします。
学芸員の安藤昌就さんから、まずご紹介頂いたのは西郷隆盛直筆「東征戦亡碑」下書き一幅。
歴史上の人物の中でも、特に人気がある西郷隆盛。直筆を池上本門寺で拝見できるとは思っていませんでした。
これは戊辰戦争で亡くなった薩摩藩士を追悼する碑に刻む文字の下書き。石碑は京都にある東福寺に建立されています。

西郷隆盛の直筆は草書体が多く、楷書体で書かれた現存する文字は大変珍しいといいます。戦没者の数を省略することなく五百二十四人と書かれているのが印象的。
よくよく見ると、西郷隆盛は歴史上では力強いイメージですが、文字はきわめて几帳面。細かい筆の運びは、神経質な印象まで受けます。
下書きを見たら、京都の石碑のほうも気になってしまいます!

6期 第12回池上市民大学体験記(9月29日号Vol.2) 今日の霊宝殿~西郷隆盛直筆「東征戦亡碑」下書き一幅~ 池上市民大学 霊宝殿

池上本門寺の五重塔に関する展示

五重塔建立時の貫首第14世日証聖人に関する文献や、五重塔の構造が目で見て解りやすい五分の一模型など。
実際の五重塔はとても大きく見えますが、五分の一だと、かなり小さく感じます。背の高い建造物なので、きっと大きく見えるのでしょう。
クネクネと曲がった頭の四角い釘「五層流板留釘」等の展示もおもしろかったです。クネクネ曲がっている様子は、長い年月、頑張ってきたのだなあと、ポツポツ並んで展示されている釘に愛着を感じます。鍛錬された昔の釘は丈夫で長持ちし、やわらかく、釘を打った際に曲がって抜けづらいそう。現在は丸い頭の釘が主流なので、このような四角い頭の釘は珍しく拝見いたしました。

本門寺には戦争で焼失してしまったものもありますが、広い敷地内には古い建物や歴史上の貴重な史料も多く残っています。霊宝殿は、いつも歴史という過去の、私にとっては新しい光景があり、楽しみな場所の一つなのです。

6期 第12回池上市民大学について

池上市民大学 霊宝殿

6期 第12回池上市民大学体験記(9月29日号Vol.2)今日の霊宝殿~西郷隆盛直筆「東征戦亡碑」下書き一幅~