7期 第1回池上市民大学体験記 池上市民大学第7期開講式 池上市民大学 開講式

池上市民大学第7期開講式

10月27日、池上市民大学第7期の開講式が行われました。
今まで受講してきた方、今期から新しく入った方も少々緊張気味の顔。午後一時、池上本門寺の大堂へ向かいます。
おつとめの後、池上市民大学の校長先生、酒井日慈貫首様より訓話を頂戴いたします。
「不思議だなあ」「なんでだろう」と感じた事柄について、真剣に考え、共に話し合い、また先生たちからの教えを受けることは大切なこと。「りんごがポトッ、ポトッと落ちることをなぜだろう、どうしてだろうと考えないのか」と、ご自身の先輩の言葉をお引きになり、考えることの大切さについてお説きになられました。

大堂の下の広間へ移動し、先生と受講生たちの自己紹介。
担任の吉田尚英先生と、副担任の岡本亮伸先生のご挨拶。その後、受講生たちの簡単な自己紹介が続きます。
第7期の池上市民大学のテーマは、「心」「環境」「歴史」という三本柱。今という時代を考え、歴史について学び、次世代に何を引き継いでいくべきかを考えていきます。

なかなか一人では取り組むことの難しい大きなテーマですが、先生方や、仲間と一緒に学ぶことで、あまり気負わずに取り組んでいけそうです!

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永寿院「万両塚」で

開講式を終え、境内を散策しながら永寿院「万両塚」へ。
大堂から出て、仁王門手前を左に曲がると、両脇にお墓の並んだ、少し広い直線の通りがあります。「この道を五重塔が通ったのです」と岡本亮伸先生。
何でも本門寺の五重塔は現在の鐘楼堂と対に建てられたそうですが、建立直後の大地震で傾いてしまい、現在の場所に移築されたそうです。
びっくりしながら、私たちが今来た道を振り返る場面もありました。五重塔の前へ到着すると、岡本先生と公式ガイド2名の方から五重塔の説明を受け、永寿院「万両塚」へ。

万両塚は、徳川家康と側室お万の方の孫娘にあたる芳心院様のお墓所。養珠院お万の方の信仰心の篤さは特に有名ですが、孫の芳心院様にも引き継がれ、このような巨大な「万両塚」が建立されました。
四角い堀に囲まれており、中心に石塔が建立されています。周囲はたくさんの樹木に囲まれ、お姫様の墓所らしい、優しい雰囲気の場所です。

実は開講式前、「今日はサプライズがあります」と吉田先生から気になるお言葉が。
「サプライズ」の正体は、万両塚に池上市民大学第7期生たちがチューリップの球根を植えるというイベントでした!
少し深みのある緑色のプランターは、ペットボトルの蓋を再利用したもの。3人で1つのプランターに球根を植えていきます。出来上がったプランターをバケツリレー方式で、協力して万両塚へ。

春、花開く頃に万両塚へみんなで集まって、今日の事を思い出すのが楽しみです。

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霊宝殿「万両塚展」

本日の池上市民大学最後の授業は、霊宝殿にて特別展「万両塚 芳心院と池上本門寺」の拝観。さきほどまで私たちがいた万両塚に関する史料が並びます。
学芸員の安藤昌就さんより「特別展」の概要と、各史料についての説明を伺います。
万両塚は「逆修供養塔」と呼ばれる生前に建立したものであり、芳心院様ご自身の信仰の篤さや、徳川家康の孫であるという世俗的ステータスが示された特別なお墓。万両塚内部に奉納されていた「万両塚納置法華経」(池上永寿院蔵)八巻は非常に古く、開くことができない状態ですが、紙のめくれた部分をよく見ると写経であり、八巻最後の部分に芳心院様ご自身の名が刻まれているのではないかと考えられています。

安藤さんは、流れるような養珠院様の文字と、芳心院様の文字を見比べて、芳心院様はお姫様らしい、非常に整った美しい文字をお書きになるとおっしゃっていました。手紙は専門の知識がない私などには読むことはできませんが、筆の運びを感じることはできます。
こうして自筆のお手紙や写経を拝見していると、歴史上の人物が実際に存在していたのだなあと、しみじみと感じられます。

霊宝殿展示室中央には、きらびやかな厨子の中の「芳心院造立日蓮聖人坐像」(茅ヶ崎妙行寺蔵)。御尊像の中には、芳心院様の書かれた334遍のお題目、侍女たち法名と各々唱えたお題目の数が細かく書き込まれた巻物が納められています。信仰心篤く、また優しいお人柄が、細かく書き込まれた文字から伝わってくるよう。
また、展示品の中でも美しく、印象深かったのは「養珠院寄進の三十番神像」(大坊本行寺蔵)。一ヵ月を日替わりでお守りする神さまが、色彩鮮やかに三十体描かれているものです。

一通り説明が終了し、本日の池上市民大学が閉講した後も、ほとんどの市民大学生たちは霊宝殿に残っていました。みなさん熱心に、じっくりと時間をかけて一つ一つ眺めているのです。
実際に自分の目で見て、感じること。体験を通して学ぶことで、「こんなふうに感じた」という記憶がしっかり残るような気がします。実際に、最近池上本門寺を訪れるたびに、「あの時説明してもらった場所だ」と思い出すことも多くなってきました。
校長先生の酒井日慈貫首様のお言葉を胸に、しっかりと池上市民大学第7期生として、毎月一度、池上本門寺で大切な時間を過ごしていきたいと思います。

7期 第1回池上市民大学について

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