8期 第3回 池上市民大学体験記 仏教のお話 池上 市民大学

仏教のお話

2013年12月14日(土)、池上市民大学の講義がありました。12月8日は釈尊成道会(しゃくそんじょうどうえ)、お釈迦さまがお悟りを得られた日です。
私たちの生活の中で、仏さまの教えをどう活かしていけば良いのか。池上市民大学副担任の岡本亮伸先生からお話を伺いました。

「自分を満足させるよりも、他人を満足させるのは難しい」と岡本先生はおっしゃいます。
人にありがとうと言われると、誰でもうれしくなると思います。つらいことでも努力して、時には失敗しながら「人の為」と一生懸命にやっていると、いつかはその経験が活かされて、本当に人の役に立つ日がやってくるでしょう。
自分は努力しているんだ、と自己満足に浸っていてはダメですとの先生のお言葉に、私自身もドキリとしました。努力して、経験をして、それを活かして人の役に立っているという実感を得た時、しあわせを感じることができます。
「自分の心が安定するような生き方を目指しましょう」という先生のお言葉が心に残りました。

授業の後半では、日蓮聖人の大曼荼羅御本尊についてお話を伺いました。御本尊には仏さまの世界が視覚的に示されています。
「さて、この余白に書かれているのは誰の名前ですか?」と岡本先生の質問に、池上市民大学生たちは首をかしげます。
おもむろに白いヒモを取り出した岡本先生。御本尊からつないだ2本のヒモを教室の後ろの方へまわして、私たちはヒモで括られた空間の中に入りました。
「ほら、みなさん仏さまの世界にちゃんと入ってます。もうおわかりですね?」と岡本先生。 余白に書かれているのは私たちみんなの名前です。
仏さまはいつも一緒にいて、私たち自身も仏さまの世界に一緒に住んでいるということを表しています。

大曼荼羅御本尊は難しそうで近寄りがたいイメージでしたが、今日は「そんなに難しいことじゃなかったんだ、もっと身近に感じて良いんだ」と新しい発見の時間となりました。


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歴史のお話

2時限目は学芸員の安藤昌就さんのお話です。池上本門寺の歴史についてお伺いしました。

池上本門寺は日蓮聖人御入滅の霊跡として知られています。
池上本門寺の日蓮聖人の御尊像は、御入滅後七回忌の時に造立されました。晩年の威厳ある御姿をそのままに写していると伝わる御尊像は等身大です。
小松原法難という、鎌倉時代に日蓮聖人が小松原(今の千葉県鴨川市)の地で東条景信に襲撃された事件があります。この時に受けた額の傷も再現されているそうです。

写実的なお像は魂が宿る「生身仏」(しょうじんぶつ)と呼ばれ、生けるがごとく御尊像にお仕えします。
私たち一般の参拝者は、池上本門寺大堂の御尊像をお近くで拝見することはできませんが、お衣がきれいなことは遠目に拝見しても気がつくと思います。池上本門寺では年に2回、春の千部会と秋のお会式でお衣替えをなさいます。
冬になると、小松原法難の際に受けた古傷を気遣って、日蓮聖人の御尊像に頭巾をお掛けすることがあります。

今年は宗祖第七百三十二遠忌にあたりますが、700余前から続いてきた人々の想いが受け継がれてきたのが、ここ池上本門寺なのですね。


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今月の霊宝殿

霊宝殿にて、引き続き学芸員の安藤さんに案内して頂きました。

今月は「兄弟抄」巻子本・七行断簡(文永十二年・重要文化財)などを拝観いたしました。安藤さんから日蓮聖人の御真筆を通して、お人柄を感じる部分など、着目するポイントを伺いました。
「兄弟抄」は池上宗仲・宗長兄弟が父親と信仰上の相違から争いになった時に、日蓮聖人が池上兄弟に送られたお手紙です。

巻物になっていますが、書かれた当時は一枚ずつの紙で、紙の右上の部分には頁数(丁付け)がふってあります。
墨がだんだん薄くなって突然濃くなるところは、おそらくお弟子さんたちが新しい墨に替えたのでしょう、と安藤さんが当時の様子を想像しながら説明してくださいました。
お手紙の中で、濃い墨で文字が訂正された部分が目立ちます。ちいさな間違いも見逃さず、大胆に正しているところに日蓮聖人のお人柄を感じました。

御真筆を通して、日蓮聖人がお手紙をお書きになっている姿を思い描くことができます。
安藤さんのお話をお聞きしながら、当時の日蓮聖人の御姿に思いを馳せて御真筆を拝観させていただきました。

池上本門寺霊宝殿のサイトはこちらから→http://honmonji.jp/05topic/06info/reihoden/reihoden.html

8期 第3回 池上市民大学体験記

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