「一切の衆の前において 大神力を現じたもう」
「妙法蓮華経如来神力品第二十一」の一節です。
前回、私たちが仏さまのお心を自らのものとして自他共に邁進する姿をご覧になり、仏さまがそのお力添えとして十種類の不思議なお力を顕されることをお話いたしました。
この不思議なお力とは、言ってみれば久遠の仏さまの威大なお力であり、言葉ではいいつくせない大きな慈悲の功徳です。
このところは大変大事なところですので、追ってご説明いたしますが、今回は十種のお名前だけをご紹介いたします。
まず最初に
一、「出広長舌（すいこうちょうぜつ）」
二、「毛孔放光（もうぐほうこう）」
三、「一時謦咳（いちじきょうがい）」
四、「倶共弾指（くぐたんじ）」
五、「六種震動（ろくしゅしんどう）」
という五つの神力を示されました。
これは、お釈迦様ご在世中に幸運にも生まれ合わせて、この法華経が説かれる場所に集まってきている人々のために、久遠の仏さまのお心である法華経が真実であることを証明されたものです。
つづいて
六、「普見大会（ふけんだいえ）」
七、「空中唱声（くうちゅうしょうせい）」
八、「咸皆帰命（げんかいきみょう）」
九、「遙散諸物（ようさんしょもつ）」
十、「通一佛土（つういちぶつど）」
この五つの神力は、仏さまのご入滅後の末法悪世の人々のために示されたもので、十方世界の中心は娑婆世界であり、唯一人の久遠の仏さまは娑婆世界の教主釈尊その人であり、唯一のみ教えは久遠の仏さまのお心である法華経であることをはっきりと宣言されたものであります。
法華経について
神力品 出広長舌
