苦しみや悲しみを乗り越えたとき、そこに慈しみの心は生まれる 「常に悲感を懐いて心ついに醒悟す」 寿量品 常に悲感を懐く

「常に悲感を懐いて心ついに醒悟す」

法華経如来寿量品第十六に「常懐悲感 心遂醒悟」(じょうえひかん しんすいしょうご)の一節があります。

常に悲感を懐く」(つねにひかんをいだく)とは、一番大切に思っていた人が突然いなくなった時、私達は動揺し不安になってしまいます。
ましてやそれが永遠の別れであればなおさらであります。

私達にとって一番大切な人とは、両親以外にはないでしょう。
両親の元に生を授かり、成長していく過程においては色々なことを教わり、いつも見守ってくれていた両親。いつまでも死なないだろうと私達は錯覚をしてしまいます。

だが必ずや別れの日は来る、悲しみの時は来る、このことを常に心にいだいている。
「常懐悲感」とはこのことを教えています。

また「心ついに醒悟す」(こころついにしょうごす)とは、その悲しみにいつまでもうちひしがれていてはいけない、頼るべきは自分である。
自らの力でそれを乗り越えなければという気持ち、そのあとに大きな安心のあることのご教示です。

私達の生活の中には楽しい事ばかりではなく、苦しい事や悲しい事が次から次へと出できます。
それを自らの力で乗り越えた時、お釈迦さまと同じ心持ちが生まれてくるのです。
他の悲しみを自らの悲しみと出来る大心が…

法華経の言葉

寿量品 常に悲感を懐く

苦しみや悲しみを乗り越えたとき、そこに慈しみの心は生まれる「常に悲感を懐いて心ついに醒悟す」