お寺の庭づくりワークショップ 第7回 「本門寺の奥庭」 本門寺の奥庭「松濤園」 松濤園 勝海舟 永寿院
お寺の庭づくりワークショップ 第7回 「本門寺の奥庭」

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信行のしおり
2025-10-24 住職
本門寺の奥庭「松濤園」
池上本門寺学芸員安藤昌就先生より本門寺の奥庭である「松濤園」を見学するにあたり、その歴史についてのご講義をいただきました。
「松濤園」は窪地を利用した約四千坪の広さを有する池泉回遊式庭園で江戸時代初期、小堀遠州の作庭との伝承があります。
慶応4年3月に「松濤園」内の四阿で勝海舟と西郷隆盛との江戸開城に関する会見が行われたとされ、その場所は東京都旧跡に指定されていますが、「松濤園」と命名されたのは日蓮聖人六百遠忌(1881)の頃だといわれています。
戦後に著しく荒廃していましたが、日蓮聖人七百遠忌事業として江戸時代とは多少の形を変えて復興されました。
寺院の庭は、時代背景や自然環境に影響を受けながら変化していくものなのです。
講義の動画を下記からご覧いただけます↓
https://youtu.be/O1hUhbJfg78?si=o9d-QdvA1D-awBMK
松濤園見学
江戸時代、この庭がつくられた当初は本門寺住職の住居である「大奥」から窪地を見下ろすように作庭されましたが、現在は会食や会合をする「朗峰会館」から眺める庭へと、庭づくりの「視点」が大きく変わりました。
かつて住職を訪ねてくる賓客のための視点から、一般人のための視点で楽しめる庭へと対象が変化してきたことを庭を歩いて実感できました。
自然の樹木は年々成長します。
季節の移ろいに合わせて美しく見えるように手入れをしなければなりませんが、それが追いついていないのは残念なところです。
巨大な石灯篭やユーモラスな手水など、楽しいデザインや驚きの工夫にも感動させられます。
回遊する前に眺めた庭と、一回り歩いてから回想する庭の印象の違いを楽しめました。
庭づくりws

