二季
長い夏と冬の間に短い春と秋が埋もれてしまう「二季」という言葉が新語大賞にノミネートされています。
たしかに酷暑と極寒は身体に負担を与え強く記憶にも残ります。
しかし、花が咲き、落ち葉が舞う自然の営みは時期の前後こそあれ、変わることなく移ろいでいきます。
「二季」という言葉に流されていると、短い春と秋からのメッセージを見逃してしまうかもしれません。
期間が短くなっても春と秋は存在し、日本は美しい「四季」のある国であることを忘れずにいたいものです。
「二季」という語は平安時代の文献にも登場します。
また神社で営まれる六月の夏越と十二月の年越の「大祓(おおはらえ)」は、一年を二分する「二季」の暦です。
お盆のお墓参りとお正月の初詣や、中元・歳暮を贈答する習慣も「二季」に通じるものだと思います。
気候が二極化し再び「二季」という言葉が浮かび上がる今、地球環境に対してどう向き合えばよいか考えることが求められています。
二季


