法事 法事とは 七五〇遠忌

法事とは

法事とは、本来仏さまの威徳を讃え、その教えを弘める法要儀式を指します。
江戸時代になると、故人を弔い「追善供養」をする命日の法要を指すようになったといわれています。
追善供養とは、亡き人に来世の糧を送ることを目的として、遺された人が読経や布施による修行をすることです。
仏さまの教えを学び、よりよく生きることが、故人の何よりの糧となるものだと考えるからです。
四十九日・一周忌・三回忌・七回忌と定期的に法事を営むことは、遺された人たちが慌ただしい日常から離れ、生き方について思いを馳せる貴重な機会にもなるでしょう。
しかし昨今、年回法要の参列者は減り、三十三回忌ともなると故人を知る人が少ないからと墓参をするだけという例も多くなりました。
親族との横のつながりや、先人との縦のつながりが希薄になっていく原因にもなっています。

先代の三十三回忌

昨年11月に先代住職の三十三回忌法要を営みました。
33年といえばひと世代が入れ替わる時間です。
私自身も息子が成人し、世代交代を意識する年齢になりました。
参列者30数名のうち、故人と面識があるのは四分の一程度でした。

その法要では近隣寺院の若手の僧侶に法要に出座していただき、各寺院の後継者が育っていると亡き先代に示すことができました。
お斎の席では、先代を知る先輩僧侶の皆様から思い出話をしていただき、若い僧侶に先代の業績を伝えることができました。
故人の思いを受け継ぐことができた今回の法要は先代の恩に報いる良い「報恩」になったと思います。

年回法要は過去を生きた方々とつながる場でもあります。
親やご先祖さまへの感謝の思いを再確認し、先人の生き方を振り返る。
それが文化の継承であり、縦のつながりを堅固にする機会にもなります。
文化は一朝一夕に築くことはできません。
何世代にもわたり積み重ねられていくものです。
現代は情報社会と言われていますが、自分に都合のよい情報だけを集めて、自分好みの価値観に包まれた人間ばかりが社会を構成したら文化の根は浅くなってしまうでしょう。

日蓮聖人七五〇遠忌

5年後の令和13年(2031)に、日蓮聖人七五〇遠忌を迎えます。
日蓮宗では「知恩報恩」をテーマに各種法要や事業が計画されています。

日蓮聖人は、人心が乱れ、争いが絶えない世の中に、お釈迦さまの真意である「法華経」と「お題目」を弘めることによって、人々の苦しみを除き、安心を与えようと弘教に生涯を捧げられました。
「法華経」は皆が仏と成り、お互いに生かし合い「仏の国」を築くことを目指す教えです。
そして、私たちの中にある「仏」を呼び覚ますために南無妙法蓮華経の「お題目」を示してくださったのが日蓮聖人です。
お題目を唱えながら皆が仏と成り、この世界に仏の国を築いていくことが日蓮聖人への「報恩」となるのです。

毎年10月13日、日蓮聖人のご命日に営まれる「お会式」は日蓮聖人の年回法要=法事です。
750遠忌は連綿と受け継がれてきた教えの灯「法灯」を次世代に受け渡し、仏の国の実現に近づくための重要な機会です。 
国際秩序が乱れる現代の世界情勢の中で、仏の国を実現するのは容易なことではありません。
何世代にもわたって、教えを引き継ぎ、仏の国を単なる理想で終わらせないためにも周年行事という節目が必要なのです。

私たち自身が亡き後、いつまで法事をしてもらえるかはわかりません。
しかし、法華経とお題目の教えが受け継がれていれば、未来から見た先祖にあたる私たちへの追善法要をしてもらえることでしょう。

法事

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