師 走 師走 釜じめ

師走

日本では昔から、十二月のことを“師走”と言います。
年の瀬をひかえて、みなさんも何かと気忙しく過ごされる季節だと思います。
お寺でも、年末のお経回り、大掃除やお正月の準備などで大忙し。
まさに、お坊さんも走り回る“師走”です。

家々に竈(かまど)があった頃は、この師走の時期に、“釜じめ”という習慣がありました。
台所の竈の神さまに「一年間ありがとうございました」と感謝の思いをこめて、お正月には火を落とし、竈にしめ縄を張り、おせちを食べるのです。
今でも年末に、台所から火を出さないようにと、火伏せのお札を張り替え、日常の神仏の加護に感謝の祈りを捧げるために、多くのお坊さんが“釜じめ”のお経に走り回っています。

しかし近年、電子レンジに保温釜、火を使わないIHクッキングヒーターまでが登場し、便利な生活の中で、火への感謝も、自然への畏怖も、神仏への畏敬の念も忘れられているように感じることがあります。
文明の発達した現代だからこそ、目に見えない力によって生かされていることを感じ、一年間を無事に過ごせたことに感謝の思いを寄せて、師走をお過ごしください。


師走

師走 釜じめ

師 走師走