武者英二先生を偲ぶ会 恩師を偲ぶ 武者英二 静かなひかり

恩師を偲ぶ

5月12日「武者英二先生を偲ぶ会」が、法政大学ボワソナードタワー・スカイホールを会場に開催されました。

武者英二先生は私の建築設計の恩師で、大学のゼミで指導を受け、卒業後も先生が主宰する設計事務所に十数年勤めさせていただきました。

先生は、建築家として、大学教授として、建築の教育・設計・研究に半生を捧げ、教え子・弟子は三百数十名、設計した建物は百余件、沖縄の民家集落研究を始め著書多数、偉大な業績を残されました。

設計の仕事では妥協を許さず、アイデアをまとめるためにトコトン考えぬき、図面や模型によって正確に現場に伝え、現場で完成間近でも良くなければこわして作りなおすこともしばしばでした。
その厳しさに私もスタッフとして苦労の連続でしたが、体に染み込んだその仕事の流儀が僧侶となった今でも何かと役に立っています。

武者英二先生を偲ぶ会 恩師を偲ぶ 武者英二 静かなひかり

静かなひかり

静かなひかり』というのは設計事務所「武者英二研究室」の作品集のタイトルです。
武者先生が書かれた序文の一部を抜粋します。

「建築とは単に機能や技術の集積ではなく、時代性や風土の場所性を理解し、人びとの暮らしと調和した、人間性豊かな美しい創造物であると信じます。その成果の一つ一つが、新たな文化を築き上げると思います」

人と建築をつなぐ建築家として、人と人とをつなぐ教育者として、文化を未来へつなぐ研究者として、そんな武者先生の生き方がまさに「静かなひかり」ではないかと思います。

設計事務所勤めている際に、武者家墓所の設計のお手伝いをさせていただき、「俺が死んだら葬式は吉田に」と先生は言われていました。
そんな関係で、昨年末12月20日ご逝去後の直後、ご子息からご相談をいただき、先生が設計された南蔵院本堂にて、通夜・葬儀を営み、不詳の教え子ながら私が導師をつとめさせていただきました。

私がつけさせていただいた戒名は、作品集『静かなひかり』に因み、「静光院(じょうこういん)」です。

武者英二先生を偲ぶ会 恩師を偲ぶ 武者英二 静かなひかり

献花に代わるセレモニー

「偲ぶ会」では、参列者に木札を配り、名前とメッセージを書いて献花に代えて祭壇にお供えしていただきました。
来賓あいさつ・献杯の後、懇談会中に、参列者の思いが込められた木札を井桁に組みあげ内側から明かりを灯しました。

武者先生の人生のような「静かなひかり」を、先生によってつながった方々と共に灯して、先生を偲びました。

1枚目の写真は、先生のお孫さんが明かりのスイッチを入れた直後の様子です。

なお、この木札は護摩木です。
後日、お焚き上げをして、武者先生のもとにお届けします。

武者英二先生を偲ぶ会

武者英二 静かなひかり

武者英二先生を偲ぶ会恩師を偲ぶ