二十四節気と七十二候 白露 二十四節気 白露 白露 七十二候

二十四節気 白露

二十四節気 白露  (八月節)

9月7日~22日

陰気ようやく重なりて露にごりて白色となれば也(こよみ便覧)

白露は仲秋の候。少し大気が冷えて、草の上に降りた朝露が、きらきらと白く光って見えることからきています。仲秋とはいっても、昼間はまだまだ暑いですね。突然の豪雨や雷、はたまた竜巻までと近ごろの異常気象が話題です。海中温度の上昇も問題で、本来は捕れないような南の海の魚が捕れたりするという話もありました。竜巻や豪雨などで被害に遭われた方は大変気の毒ですが、自然の前に人間の無力さを思ってしまうこの頃のニュースです。


葉月(八月)

旧暦の八番目の月は葉月。葉月の一日が八朔(八月朔日の略)と呼ばれる話は処暑の候で書きました。葉月は稲の収穫の準備にかかる時期ですし、収穫を祝う秋祭りもこの時期に多くが催されます。
葉が落ちる月なので葉月(はづき)。そのほか、萩月(はぎつき)、月見月(つきみづき)、秋風月(あきかぜづき)、燕去月(つばめさりづき)などとも。虫の音にもののあわれを感じる葉月は月を楽しむ月でもあります。だんだんと大気が澄んでくるので、虫の音も響くようになり、月や星も良く見えるようになってくるからでしょう。


二十四節気と七十二候 白露 二十四節気 白露 白露 七十二候

七十二候 白露初候 草露白

七十二候 第四十三候 草露白し

9月7日~11日頃

「そうろしろし」「くさのつゆしろし」と読ませます。
二十四節気の白露(はくろ)と同様、草の上に降りた露が白く光る頃という意。
露が光ることを「白し」というのは、現代の私達には不思議な感覚です。元々、白というのは何の色と特定しない透明なことなのだそう。神様の前で着る神衣も白ですし、古来の日本では喪服も白でした。八朔に江戸城に上がる諸大名が白帷子を着たのも「白露」と関係があるともいわれています。
白は爽やかで清らかなイメージですが「死と再生」の象徴でもあるそう。白という漢字は頭蓋骨がモチーフになって作られたといいますが、このことも何か意味のつながりを感じます。白色のなかに清浄さ透明性を感じるのは、現代の私達にも通じるかもしれません。

二百二十日
9月11日は「二百二十日」という台風の注意日です。稲穂も重くなった頭を垂れて、農家は収穫の準備にかかる頃。台風が温帯低気圧になったとしても雨量が多く降ったり、強風に煽られて折角実った果実が落ちてしまったり天気予報がきになるこの時期です。


七十二候 白露次項 鶺鴒鳴】

七十二候 第四十四候 鶺鴒鳴く

9月12日~17日頃

「せきれいなく」と読ませます。鶺鴒(せきれい)が鳴く頃。
「セキレイ」を漢字で書けますか?と聞かれたら、書けない人の方が多いのでは?恥ずかしながら私も書けません。スズメやツバメほどメジャーではない鶺鴒(せきれい)ですが、七十二候にも出ているのですから、良く見かける鳥なのでしょう。なるほど調べてみたら、日本書記にも出てくるほど有名な鳥なのでした。体の割に長い尾を上下に叩く様に振ることから「石たたき」との別名もあるそう。また、「恋教え鳥」とも言われているのは日本書記の中で、イザナギとイザナミが鶺鴒(せきれい)から恋の交わりを教えてもらうというくだりからとも。

(上の写真はハクセキレイ)


二十四節気と七十二候 白露 二十四節気 白露 白露 七十二候

七十二候 白露末候 玄鳥去

七十二候 第四十五候 玄鳥去る

9月18日~22日頃

「げんちょうさる」 「つばめさる」と読ませます。
渡り鳥であるツバメは春に日本に渡ってきて子供を産み育てます。そして夏、巣立った若鳥は親鳥と一緒に水辺などに集団ねぐらを作ります。なんと数千から数万のツバメが集まるというからすごいですね。このツバメのねぐらは水辺ばかりではないそうで、最近では、中央道の談合坂サービスエリアの街路樹をねぐらにしているツバメ集団が報告されていました。秋に南の方へと渡って飛んで行くツバメ達は、また来春に日本へやってきます。近年はカラスの攻撃や巣作りの環境の悪化により数が減少しているといいますが、ツバメたちが安心して子育てが出来る環境が多くなるといいですね。(日本野鳥の会「消えゆくツバメを守ろうキャンペーン」参照)


仲秋の名月

旧暦の八月一五日は今年は9月19日になります。きれいな十五夜の望月が見られるでしょうか?私の子どもの頃、十五夜のお月見には、比較的、近所のどの家でも、お団子や里芋の煮物、栗や果物などを、ススキと一緒にお月様に見えるように飾っていました。子ども達は気心の知れた近所の家に飾られたお団子や果物を、この時だけは勝手に盗ってもいいのだと言われ、子ども同士で、お互いの家のお団子を盗りあったりしたこともありました。盗ろうとした時に、待ってましたとばかり2階から水が降ってきたりと、悪ふざけをしたこともいい思い出です。
今ではすっかり忙しさにかまけて、十五夜にも気づかず・・・なんていう過ごし方をしてしまっています。単に月を愛でるだけではなく、月に感謝をささげ、豊作を祈る意味も込められた十五夜のお月見。忙しい現代だからこそ、ゆったりとお月見をして「いのちの時間」を感じてみましょうか。

彼岸入り
9月20日からは秋の彼岸の入りで、彼岸明けは26日。秋のお彼岸にはオハギをお供えします。
23日の秋分の日を境に、日は徐々に短くなっていき、本格的に秋が深まっていきます。


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