二十四節気と七十二候  寒露 二十四節気 寒露 寒露 七十二候

二十四節気 寒露

二十四節気  寒露  (9月節)
10月8日~10月22日頃

陰寒の気に合って 露むすび凝らんとすれば也(こよみ便覧)

少しずつ肌寒さを感じるようになってきて、朝露もいよいよ冷気に凍りそうになる頃です。
暦の上では晩秋ですが、実際には少しずつ小さい秋を見つけられるようになってきました。
金木犀が甘い香りを漂わせ、ススキは穂を開きはじめます。栗の木からはイガが随分落ち、林の中を歩くとたくさんのどんぐりが見つかります。銀杏の雌木には黄色い銀杏と共にあの独特の匂いが立ち込めてきました。魚屋さんには美味しそうな秋刀魚が並びます。新米も店頭に出始めました。ブドウや梨や柿など秋の果物も彩りを添えています。



十三夜 (栗名月)
10月17日は十三夜です。十五夜は「仲秋の名月」といわれますが、十三夜は仲秋の名月の後になるので「あとの月」「栗名月」「豆名月」などと呼ばれます。十五夜に次いで美しいとされていたことから、旧暦の九月一三日の月を「十三夜」と呼んでお月見をしました。一三夜の月は満月ではないので、少しかけていますが、夜七時頃には南の空にその美しさを見る事が出来ます。
十三夜は日本独特の行事なのだとか。十五夜だけを見るのは「片見月」として忌まれたそうです。十三夜にも、栗やススキをお供えしてお月見を楽しんでみてください。
ドビュッシー「月の光」を聞きながら・・・秋あがりを熱燗で一杯なんていいですね。

Claude Debussy 「月の光」 http://www.youtube.com/watch?v=a3jpy1OzWg8



お会式
10月11日~13日まで、池上本門寺にて「お会式」が催されます。
日蓮聖人御入滅の10月13日に合わせて3日間行われます。
2013年お会式スケジュール詳細はこちら
http://honmonji.jp/05topic/05event/oeshiki/2013/oeshiki.html







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七十二候 寒露初候 鴻雁来

七十二候 第四十九候 鴻雁来る
10月8日~12日

「こうがんきたる」と読ませます。
この時期は雁の飛来がある頃。一般的なマガンと共にカリガネと呼ばれる種類も飛んできます。

マガンは北海道の宮島沼を中継地として、宮城県の伊豆沼・内沼を越冬地として過ごします。今年は9月22日に伊豆沼でマガンの初飛来を観測したようです。
マガンは0度以下の場所では生きられないので、夏は北のツンドラ地域で暮らし、冬になると日本などに南下してくるのです。

WWFに寄せられた報告によると、地球温暖化により、1990年以降にマガンの数が年々増えているのだそう。これは一見良い事のように思われるのですが、温暖化によってツンドラの繁殖地で過ごす期間が長くなり、繁殖が増えているのが現状なのだとか。日本でも、伊豆沼周辺に飛来するマガンは、1990年以前は5千羽ほどでしたが、昨年は8万羽にまで増えているようです。
秋にシベリアから南下するマガンの飛来時期が遅くなって、春に北へ帰る時期が早くなり、さらには、中継地だった北海道の宮島沼で、そのまま南下せずに越冬する傾向もあるといいます。

気温にデリケートな渡り鳥が、生息地を変化させることになりつつあることで生態系にも変化があるのではないかと危惧されています。


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七十二候 寒露次候 菊花開

七十二候 第五十候 菊花開く
10月13日~17日

「きくかひらく」略本歴では「きくのはなひらく 」読ませます。
旧暦九月九日は、重陽の菊の節句で、今年は10月13日にあたります。菊の花は不老長寿の象徴。菊酒を飲みながら、秋の月を眺めてみるのも風流です。


重陽の節句

重陽とは旧暦の九月九日のこと。中国で生まれた陰陽思想では奇数は陽を表し、九月九日は陽の極である九が重なることから「重陽」と呼ばれました。この日は邪を祓い、不老長寿を願って菊の花を浮かべた杯で菊酒をいただいたりと、平安時代には、宮中の盛大な行事として重陽の宴を催していました。

菊の被綿(きせわた)といって、宮中の女官たちは、前夜に菊花に綿を被せておき、翌朝に菊花に降りた露が染み込んだ綿で体をぬぐったりしていたといいます。実際、菊花には薬効があるようです。
重陽は、いつしか庶民の間の収穫祭と習合されて「お九にち」として祝われるようになりました。



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七十二候 寒露末候 蟋蟀在戸

七十二候 第五十一候 蟋蟀在戸
10月18日~22日

「しっそくこにあり 」略本歴では「きりぎりすとにあり」と読ませます。
大衍暦・宣明暦と、貞享暦の七十二候では菊の花が開く頃とされています。

宝暦暦・寛政暦では「蟋蟀」はシッソクと読ませますが、漢字としては(シツシュツ)と読みます。さらに「こおろぎ」とも「きりぎりす」ともどちらにも読むのだそう。
上代の日本では「蟋蟀」を、コオロギやキリギリスの総称としていて、あまり区別をしていなかったようです。古語辞書では「蟋蟀」の読み方は「きりぎりす」と出てきて、その意味は「現在のコオロギ」と。
平安時代から中世にかけてはコオロギを「きりぎりす」と言っていたそうで、キリギリスは「はたおり」とよばれていたといいます。頭の中がごちゃごちゃになってしまいそう・・・。

ちなみに「蟋蟀」をGoogleで検索すると「こおろぎ」でヒットしました。英語に訳す際は「Cricket こおろぎ」としているようです。






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