七十二候で季節を感じる 五十七候 二十四節気と七十二候 立冬~ 七十二候 旧暦

二十四節気と七十二候 立冬~

二十四節気とは、冬至を起点に一年を24に分割したものです。
まず、冬至と夏至が一年を2つに分割。さらに春分と秋分で4分割されて、春・夏・秋・冬となります。
各季節の開始を立春・立夏・立秋・立冬と名付け、8分割に。さらにその8分割したものを3等分すると、約15日の期間で分けられる二十四節気となります。
二十四節気をさらに5日ごとに分けたもので、気候の細やかな変化を表現しているのが七十二候です。


第五十七候 ・・・水仙の花 咲く。新暦11月17日は、旧暦では十月十四日。
旧暦の十月は神無月。

水仙の花は球根で、毎年、決まった時期に芽を出します。
すくっと伸びた黄緑色の葉に、爽やかな香気を振りまく水仙は、生け花に使われることも多い植物です。
伊豆の爪木崎は300万本の水仙の群生が見られ、12月20日頃から「水仙まつり」が催されます。

水仙は金盞(きんせん)とも呼ばれ、盞(せん)とは杯(さかずき)のこと。「金の杯」と言う意味です。
水仙の花びらの真ん中にある副花冠が、黄色い盃のように見える事からついた名前なのでしょう。
そんな金盞のような形と、仄かなかぐわしい花の香りに、古の人々は冬の訪れを感じたのかもしれません。

旧暦 神無月の語源

神無月でよく言われているのは、八百万の神々が出雲に集まることから、出雲以外の所では神無月といい、出雲地方では神在月というという話です。
しかし、もう一つ、神無月の語源とされているのが、醸成月(かもなしづき)というもの。

水仙が金盞(きんせん)と呼ばれると先程書きましたが、杯に満たされるものはお酒ですね。お酒と言えば、神に捧げる大切なお供え物。
ちょうど、新酒が醸造される季節だから醸成月(かもなしづき)となったとか。この時期、収穫された新穀から早速新酒を仕込むのです。

西洋でも、神に捧げられるものはお酒(葡萄酒)ですしね。
四季のあるところでは、秋は「実りと収穫の季節」というのは世界共通になるのでしょう。
丁度、ボジョレー・ヌーボーの解禁も重なるのも不思議な気がします。ともあれ、ワインでも日本酒でも、美味しいお酒が頂けるのは、秋の収穫のおかげなのだと感謝しつつ、お酒の大好きな中国の妖精、猩々(しょうじょう)よろしく、お酒に飲まれないように致しましょう。


七十二候で季節を感じる~水仙

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