七十二候で季節を感じる 第六十二候・・・熊、穴にこもる 旧暦 七十二候

第六十二候・・・熊、穴にこもる

二十四節気とは、冬至を起点に一年を24に分割したものです。まず、冬至と夏至が一年を2つに分割。さらに春分と秋分で4分割されて、春・夏・秋・冬となります。各季節の開始を立春・立夏・立秋・立冬と名付け、8分割に。さらにその8分割したものを3等分すると、約15日の期間で分けられる二十四節気となります。二十四節気をさらに5日ごとに分けたもので、気候の細やかな変化を表現しているのが七十二候です。


七十二候 第六十二候・・・熊、穴にこもる

二十四節気の大雪の次候になります。

熊が冬眠を始める頃とのこと。そうは言っても現代の私たちには実感のない言葉です。ですが、熊が冬眠をすることは聞いたことがあるでしょう。
雪深い山奥の餌もとれないこの時期、冬眠中の熊は食事も排泄も一切しないで穴にこもるのだとか。冬眠前の秋に、熊は十分に食べて体内に脂肪を蓄えておき、冬眠に備えるといいます。
最近の研究では、体温を33度ほどに保ったまま、代謝を通常の4分の1にまで落として冬籠りをすることがわかったようです。驚いたことに、冬眠中の熊の1分間の心拍数は約55回から9回にまで減っているのだとか。それでも、冬眠から覚めるとまた、普通の代謝に戻るというのだから不思議ですね。
そんな冬眠中の熊の心臓機能を参考に、人間にも応用できないか研究もされているようです。将来の筋疾患や心臓病の治療に役立つ日が来るかもしれません。

七十二候で季節を感じる 第六十二候・・・熊、穴にこもる 旧暦 七十二候

第六十三候・・・鮭、群がって川をのぼる


七十二候では第六十三候・・・鮭、群がって川をのぼる

二十四節気の大雪の末候になります。

鮭が産卵の為に、海から故郷の川へと遡っていく時期。大自然の営みは粛々とおこなわれているのですね。
熊の冬眠も、鮭の川のぼりも、本能。どうしてその時期に行動できるのかは不明ですが、七十二候はまさに自然と共にある植物や動物から知る暦なのです。旧暦の太陽太陰歴だけでは知りえない、自然のリアルな状況を知ることのできる、古えからの日読みの知恵が七十二候なのですから私たちも大切にしていきたいですね。

霜月は必ず、冬至を含む月です。日本では冬至にかぼちゃを食べ、柚子湯に入ると風邪をひかないと言われています。柚子は爽やかな香りで薬味にもよく使われます。ビタミンもたっぷりの柚子はジャムにしても美味しいですね。
丸くて黄色い柚子は太陽の形代のようです。太陽の力が弱くなっていくと思われていた頃、柚子の力を体に取り入れる為に柚子湯に入る風習ができたのかも知れません。

七十二候で季節を感じる 二十四節気 大雪~冬至

旧暦 七十二候

七十二候で季節を感じる第六十二候・・・熊、穴にこもる