七十二候で季節を感じる 大寒~節分 七十二候 第七十候 款冬華 大寒 七十二候

七十二候 第七十候 款冬華

二十四節気 大寒
大寒(だいかん)   (12月節)

1月20日~1月24日頃

冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也  (こよみ便覧)


二十四節気の12月の中気である大寒は、文字通り一年で一番寒い頃。小寒を「寒の入り」とし、小寒から大寒、そして節分までを「寒の内」と呼びます。厳しい寒さですが、陽は日に日に長くなりつつあります。蝋梅が咲きはじめ、雪の中からはかわいい蕗の薹が顔を出すように。

七十二候 大寒初候 款冬華く
1月20日~24日頃

「ふきのとうはなさく」「かんとうはなさく」と読ませます。
ふきのとうが蕾を出す頃。ふきのとうは雪の中から花芽を出している様子がかわいらしい、春を告げる植物です。香り豊かな若い花芽を摘んで、てんぷらにしたり、ゆがいて味噌和えにしたりして頂くと格別です。
「春の皿には苦みを盛れ」と言うそうで、独特の苦みが美味しいふきのとうは、春の味とでもいうのでしょうか。この苦み成分は新陳代謝を高める働きがあるようです。冬眠から覚めた熊は、最初にふきのとうを食べて代謝を高めるのだとか。私たちも、ふきのとうの薬効でお正月にたまった余分なものを排出してみては。

七十二候で季節を感じる 大寒~節分 七十二候 第七十候 款冬華 大寒 七十二候

七十二候 第七十一候 水沢腹堅

七十二候 大寒次項 水沢腹堅し
1月25日~1月29日頃

「すいたくふくけん」「さわみずこおりつめる」などと読ませます。「すいたくあつくかたし」とも。
沢には厚く堅い氷が張りだす頃。寒さが極まる頃ですが、日もだんだんと伸びつつあります。池の鴨たちは寒さ知らずなのか、氷が割れた水面の、まるで道ができたような所をスイスイと泳いでいきます。

さて、冬の空気は冴え冴えとし澄んでいるので、遠くの景色まで良く見えるようになります。夜空を見上げると、星々がキラキラと瞬く様子が観察できます。冬に見つけやすい星座はオリオン座です。
オリオン座の左肩にあたる赤く輝く星はベテルギウス。
オリオン座全体から左下方に目を移すと、白く輝く1等星のシリウス(天狼星)。
シリウスから左上に目を移すと、小犬座のプロキオンが輝いていますが、この3つの星を繋ぐと冬の大三角形となります。

オリオン座の右肩の右上にある赤い星がおうし座の1等星アルデバラン。
白く輝く大きな木星は夜空を見上げた時に一番強く輝いていますからすぐにわかります。
プレアデス星団(昴)はもやもやした白い粒が集まったように見えますが、しっかりと見える時は6個~7個は目視できます。夜空の星を眺めると、日頃の小さい悩みも宇宙の大きさに吸い込まれていくような気がしますね。

七十二候で季節を感じる 大寒~節分 七十二候 第七十候 款冬華 大寒 七十二候

七十二候 第七十二候 鶏始乳

七十二候 大寒末候 鶏始乳
1月30日~2月3日頃

「にわとりはじめてにゅうす」「にわとりはじめてとやにつく」と読ませます。
いよいよ最後の候、第七十二候は「鶏始乳」。鶏が卵を産み始める頃です。現在では毎日のように食卓に上る鶏卵ですから、鶏が春を感じて巣にこもり産卵をする頃なのだとは、なかなか実感できません。

大寒の末候を最後に一年の歳時記が完了します。そしてまた、正月節である立春から七十二候の第一候がはじまります。立春の前日は節分。季節の節目には魔(鬼)生じると言われていて、魔を追い払うための行事が節分の豆撒き。炒った豆を撒き、撒かれた豆を食べると邪気が払われると言われています。

池上本門寺では毎年節分追儺式が催されます。
毎年、1万人もの参拝者が訪れる本門寺の節分追儺式はとても賑やかで華やか。本門寺の節分追儺式では、福女・福男として芸能人や著名人が豆まきをします。無病息災を願って、本門寺の節分追儺式に出かけてみてはいかがでしょう。

七十二候で季節を感じる 二十四節気 大寒~節分

大寒 七十二候

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