二十四節気と七十二候 二十四節気 春分 春分 二十四節気

二十四節気 春分

春分の日

お彼岸の中日である春分の日。今年は桜も咲きはじめお花見も兼ねて出かけられそうですね。
さて、二十四節気の起点とされている春分
春分日は昼と夜の時間がほぼ同じとなり、この日を境いに、夏至に向かって昼の時間が伸びていきます。
中国から伝わった際は冬至を起点にしていた二十四節気ですが、日本では天保暦から春分を起点に二十四の節気に分割され始めます。天文学が発達し、地球の軌道が楕円であることがわかってきたからです。

太陽の見かけの通り道である黄道と天の赤道の交点を春分点・秋分点といいますが、そのうち黄道が南から北へ交わる方の点を春分点とし、その春分点を含む日を春分日としています。
現在の日本では、国立天文台が「暦要項」という官報に、前年の2月に掲載することによって「春分の日」「秋分の日」が決まるのだそう。(Wikipedhia参照)
2013年は3月20日が春分の日。2014年は3月21日が春分の日となります。

ところで、春分・秋分点は一定ではないということは御存じでしょうか?

紀元前150年ごろ、ギリシャの天文学者ヒッパルコスは地球の歳差運動を発見しました。
歳差運動とは、丁度コマ回しの際におこる、首振り運動のようなもの。地球が長い間自転している中で、この歳差運動により、春分・秋分点が少しずつ西に向かって移動しています。地球がわずかに楕円であることや、月や太陽の重力によることなどが重なって歳差運動がおこっているようです。

この歳差運動は、なんと25800年を周期として首振り運動をしていると言われています。つまり、大体13000年後には春分と秋分が、夏至と冬至が入れ替わってしまうことになるのだそう。
100年に約1度(1日)のずれ、などという壮大な宇宙の出来事が、直接私たちの生活に影響を与えるわけでもないのですが、なんだか不思議な気がしませんか?

実は、この歳差運動により北極点も移動することになります。現在、私たちが北極星と呼んでいる星はこぐま座αポラリスです。ところが、2000年前には天の北極点には星がなかったのですね。さらには紀元前1000年頃の北極星はこぐま座のβ星に、紀元前11500年にはこと座のベガが北極星となっていたというわけです。
古代人が見ていた北極星は、現在私たちの見る北極星ではないことになります。そして、何千年先の未来の人びとの見る星空も変わっていくのでしょう。



七十二候 第十候 雀始めて巣くう

(すずめはじめてすくう)と読ませます。およそ3月20日から24日頃。
スズメたちが巣を作りはじめる頃です。最近では減少傾向にあるスズメですから、見かけるとついうれしくなってしまいます。カラスが繁殖し、スズメを捕食してしまうためとも言われますが、都市部のみでの現象でもないようです。春風が吹き三寒四温、温かい日が続いたと思ったら急に寒さが戻ったりと、徐々に春の訪れが実感されます。

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七十二候 春分の次候 桜始めて開く

七十二候 第十一候 桜始めて開く

(さくらはじめてひらく)と読ませます。およそ、3月25日から29日頃。
今年は例年になく早い桜の開花です。都内に多いのは染井吉野ですが、大山桜、しだれ桜、八重桜など種類は豊富。
永寿院のしだれ桜と沖縄は本日満開になりました。(写真1)

池上本門寺の五重塔前参道の桜は満開ともなれば桜のトンネルとなりとても綺麗です。関東では数少ない笹紅桜(ササベザクラ)もありますから、よく見比べてみてください。
笹紅桜は水上勉の小説「桜守」のモデルとなった笹部新太郎氏の創成した桜で、淡紅色の14枚もの花びらを持つ華やかな桜です。


「田打ち桜」
(たうちさくら)と言っても、こちらは「こぶし」の別名です。
「こぶし」は、早春に白い花を枝いっぱいに咲かせる、もくれん科の花です。こぶしの花が咲くころに田打ちをし、稲の種まきを始めると言われていることから、「田打ち桜」と呼ばれるようになったそう。「田打ち」とは田んぼにクワを入れて土を耕すこと。こぶしの花は昔からの農事の目安になっていたのですね。
遠くから見ると桜のように見えるから「田打ちこぶし」ではなく「田打ち桜」なのでしょうか。

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七十二候 春分の末候 雷すなわち声を発す

七十二候 第十二候 雷乃声を発す

(かみなりすなわちこえをはっす)と読ませます。
春雷が響き始める頃。3月30日から4月3日頃。
ゴロゴロと短い音で終わるのがこのころの雷です。地中に眠っている虫がびっくりして出てくることから「虫だしの雷」とも。春を告げる雷は「神なり」。春の到来を告げるとしてありがたいものとされていました。
ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲「四季」の第一楽章「春」に雷を現わす所があるそうです。小鳥たちがさえずるように軽やな演奏が始まりますが、やがて・・・バイオリンが低音で奏で、ソロバイオリンが激しく演奏する箇所が、確かに雷鳴の表現のように聞こえます。
ヴィヴァルディの出身地、北イタリアのヴェネチアにも春の雷があるのですね。春雷は日本だけの気候現象ではないのかもしれません。


二十四節気と七十二候 春分

春分 二十四節気

二十四節気と七十二候二十四節気 春分