二十四節気と七十二候 二十四節気 穀雨 穀雨 七十二候

二十四節気 穀雨

二十四節気 穀雨(三月中)
4月20日頃~5月4日頃

春雨降りて百穀を生化すれば也(こよみ便覧)

穀雨とは『百穀を潤す春に降る雨』のこと。田畑では種まきの準備が整う頃で、耕された土壌は春雨のお蔭で豊かになっていくのです。
菜種梅雨・杏花雨など素敵な名前の呼び名もあるこのころの空模様です。植物には恵みの雨ですが、この頃の天気は変わりやすく、午前中は晴れていたのに午後には小雨が降り出したりと、朝夕の寒暖の差もあるので体調を崩しやすい時期ですね。
弥生とは、「いやおい」が変化したものとされ、ますます、草木が生い茂る月という意味。
弥(いや)=ますます、いよいよ。生(おい)=草木が芽吹き、生い茂る意。

●4月29日に土星が衝に
夜空を見上げると、木星が西の空で輝き、東の空低く土星がスピカ(おとめ座)と共にならんでいる様子も見られます。4月29日には、土星が丁度太陽の反対側に位置する「衝」に入り、5月にかけてよく観察できるようになります。特に、2013年の土星は環が8割がた土星を覆うような状態に見えるので、かっこいい土星を観察できるそう。

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七十二候 穀雨初候 葭始生

七十二候 第十六候 葭始生
4月20日頃

(よしはじめてしょうず)と読ませます。
葭(よし・あし)とは葦のことです。水辺に生える葦が若芽を伸ばし始める頃。

葦の芽は尖った牙の様なため、葦牙(あしかび)とも呼ばれます。
古事記や日本書紀に、ウマシアシカビヒコジという神様が出てきますが、やはり、葦の芽のように生命力を宿して芽吹く力を現わした神の名なのだといいます。
神話では「豊葦原瑞穂国」豊かに広がる葦原のような瑞々しい稲穂が実る国と言われているように、元々の日本では葦はもっとも身近な植物だったようです。

かつては渋谷を流れていたという唱歌「春の小川」のモデルとなった川が流れていた大都会・東京ですが、本来は低湿地帯に葦が広がる豊かな風景が広がっていたのでしょう。
明治時代頃には2100㎢あった湿地帯は現代では約800㎢になってしまったそうですから、近代化と引きかえに私たちが失ってしまった自然は大きかったのです。



七十二候 穀雨次候(第十七候) 霜止出苗
4月25日頃

(しもやんでなえいず)と読ませます。
霜避けの覆いが取れて、いよいよ苗床では苗が育ち始める頃。

苗代に蒔かれた籾は水けを含み芽を出し始めます。このころ、水口(みなくち)と呼ばれる水田の取水口には田の神を祭る用意をします。種もみで作られた焼米をお供えしたり、木の枝や季節の花を飾り依り代としたりしてお祭りしました。水口祭、苗代祭ともいうそう。

稲作の起源は中国南部とも言われていて、揚子江下流の河姆渡(かぼと)遺跡では約7000年前の水田遺構が発見されました。さらに、中流域の湖南省でも彭頭山遺跡から約8000年前の水田遺構が見つかっています。
陸稲栽培された稲籾は、1万年以上前のものが発見され続けており、その歴史の長さに驚いてしまいます。
稲は揚子江の中・下流域から日本に伝来する過程で、温帯ジャポニカ米になっていったようです。
人から人へと稲が伝来し、栽培されていくうちに、籾自体が品種改良されていくなんて、長い長い歴史と生命の不思議を想わずにいられません。

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七十二候 穀雨末候 牡丹華 

七十二候 第十八候 牡丹華
4月30日頃

(ぼたんはなさく)と読ませます。
文字通り牡丹の花が咲きだす頃です。貞享歴では穀雨の次候に、「牡丹華」がきて、末候に「霜止苗出」がきますが、宝暦歴・寛政歴からは逆になっています。
百花の王である牡丹は美人の象徴の花。大輪の堂々とした存在感といい、艶やかな紅色や白やピンクの花の色がありますが、牡丹のあまりの美しさに、ついうっとりと見とれてしまいます。

二十四番花信風

花信とは花便りという意味。初春前のまだ寒い「小寒」から、晩春の「穀雨」までの四ヶ月を五日ごとの二十四に分けて、花の名前を連ねています。
小寒・・・梅、山茶花(椿)、水仙
大寒・・・瑞花(沈丁花)、蘭、山礬(はいのき)
立春・・・迎春化(黄梅)、桜桃(ゆすらうめ)、望春(こぶし)
雨水・・・菜の花、杏の花、李の花
啓蟄・・・桃の花、棣堂(山吹・やまぶき)、薔薇
春分・・・海棠、梨の花、木蓮
清明・・・桐の花、麦の花、柳の花
穀雨・・・牡丹、荼靡(頭巾薔薇・ときんいばら)、楝花・栴檀(せんだん)

判らない花の名もいくつかありますので、調べられたものはふり仮名を付けられましたが、
読みもわからないものもありました。花の開花を告げる為に風が吹いて知らせるとされ、春の花の開花を楽しめるように作られたのが「二十四番花信風」です。元々は中国でつくられていたものを日本風にアレンジしたものが伝えられています。
こちらでは、七十二候穀雨末候の牡丹は穀雨の初候に咲く花になっています。


二十四節気と七十二候 穀雨

穀雨 七十二候

二十四節気と七十二候二十四節気 穀雨